『主を迎える準備』 2003年11月30日
「イエスがお生まれになった。」                        マタイ1:16
 アドベント期間に入りました。アドベントとは、5世紀頃から続けられているキリスト教会の伝統的な
習慣で、イエス様の降誕を祝うクリスマスを待ち望む期間のことです。11月30日に近い日曜から
始まって、クリスマスに向けてこの時期を特別な思いをもって過ごします。毎日扉を開けてその日を
待つ、アドベントカレンダーというのもありますね。
 私達の礼拝ではアダムとエバから始まって、聖書の歴史を毎週見て参りました。先週は、イスラエ
ル復興からイエス様誕生までの時代について、お話いたしました。そして、今日は400年の年月を
経て、イエス様がお生まれになる・・・というお話です。
 マタイによる福音書は、新約聖書の最初を飾る書物です。その一章には何が記されているかと
いうとイエス様の系図です。日本人でも、系図を重んじる方々はおられるでしょう。一時期は系図
ブームなどといわれ、自分がどこの家系かさかのぼって調べる方も大勢いたようです。ユダヤ人も
また、自分の系図を大切にしていたそうです.マタイによる福音書の直接の読者はユダヤ人でした
から、かれらはこの系図を見ることによって、「イエス様は旧約聖書の預言のとおりにお生まれに
なったかたなのだ」と知ることが出来ました。しかしそれ以上に、この家系は大切なことを私達に
知らせようとしています。それは、神様が人の歴史に降りてきてくださったということです。
 天皇家に民間人が嫁いだだけで、日本では大騒ぎになりますが、これはそれどころではありま
せん。人と接点を持つことなどありえない、完全な聖なるお方が人としてこられたのですから、コレ
はとんでもない大事件です。人の歴史は、神様とは決して交わることなど許されない罪の歴史です
イエス様の家系にも、不倫関係や遊女や近親相姦や悪王などが入っています。コレがこの世の
現実です。どんなに素晴らしいといわれる人の心の中にも、誰かを恨んだり羨んだり、そんな醜い
心が潜んでいるものです。それが人間の現実なのです。その現実の中に、イエス様がお生まれに
なりました。もちろん、聖霊によってお生まれになったのですが、しかし系図の中に入られたという
ことに大きな意味があります。神様は人の世に降りてこられた・・・そればかりではなく、人の下に
降ってくださったお方なのです。アドベントは、このお方を心にお迎えし、主を喜ぶ期間です。
どうぞお一人お一人が、主の恵みを心に迎えることができますように。
ペニンスラフリーメソジスト教会日語部牧師
榊原宣行